Museテクニック
絵画は平面です。
しかし、近くのモノは大きくはっきりと見えて遠くの景色ほど小さく見えてぼんやりする……この特性を遠近法で表すことで平面な絵にも奥行きが生まれています。
曲作りでも絵画と同じように「遠い・近い」を表現することが出来ます。
ここでは「音の奥行きの作り方」のお話をします。
※記述についての具体的な解説は書きません。各記述は他ページの解説をご参照ください。
メンバーAさんを目立たせる†
何も設定をしない場合各メンバーの定位はすべてド真ん中に配置されています。また音量もすべて同じです。
このままではどのメンバーが要のメロディを奏でるのかが解りません。
いろいろな記述を使って、メンバー Aさんをいちばん目立たせる方法を考えてみます。
ステレオ(左右位置)を使う†
「S」(ステレオ)で Aさん以外のメンバーを左右に開き Aさんをセンターとして引き立たせます。
ギターやキーボードは左右に分け、ドラムやベースは中央近くに置いてやると落ち着きが出ます。
各メンバーの定位を振り分けることにより、他の楽器に埋もれてしまっていた音が聴こえるようになる効果もあります。
音量を使う†
Aさんが目立つように他メンバーの音量「X7=」の値を「100」よりも小さめに調整します(基準が X7=100)
バックで鳴っている和音演奏などは音が重なっているぶん音量も大きくなりがちなので小さめにしてやります。
(このとき Aさんのほうを大きくしたくなると思いますが、他メンバー音量を小さくするほうが幅のある調整ができバランスも取りやすいです)
波形加工 Q= で音を遠くに置く†
波形加工 Q=1.2 の Q=1. の値を「64」より小さくすると音が奥に引っ込んだ感じになります。
目立ちすぎる音を柔らかくして抑える効果もあります。
残響で遠くの音をボカす†
残響 R の値を大きくするほど音がボヤけます。
ドラム・ベースのリズム隊や目立つフレーズは残響を控えめに。モヤッとしたパッド系の音には多めにかけてやると空間の広がりが出ます。
「奥行き」を表現するのですから、すべてのメンバーを同じような値にしてしまっては意味がありません。
遠い音を表すためには近い音も入れる、ぼんやりした音を表すためにはっきりした音も入れる……と、必ず「対比させる音」を入れることがとても重要になります。