Release #93
Muse V5.00
ステータス: | 終了 | 開始日: | 2007/05/26 |
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優先度: | 通常 | 作業時間の記録: | - |
担当者: | - | ||
カテゴリ: | - | ||
対象バージョン: | - |
説明
履歴機能など追加
関連するチケット
履歴
#1 Redmine Admin がほぼ11年前に更新
;《Ver5.0 開発後記》2007.05.18
;
; ◆Museのバージョンも5.0となり、初版から8年もの歳月が経過しました。初版開
; 発当時の自分が何を考え、何をしていたか顧みるとその長い年月を強く感じます。
; 今回のバージョンアップ項目は結果的に盛り沢山となりました。当初はそれ程欲
; 張るつもりは無かったのですが、久々にMuseのプログラムコードを目の前にし、
; 強化を着手してみると、その先に利用者であるミューザーの皆さんの顔が浮かん
; できて、あれもこれもと手を付けてしまいました。(昨年の9月にMuseオフ会が
; あり、生まれて初めてオフ会になるものに参加しました。実に楽しかった・・・。
; という訳で、ミューザーの皆さんの顔がリアルに浮かぶようになりました)笑
; ◆まずは桁上がりバージョンに相応しく新メニューを加えました。履歴機構です。
; 既に私の手元には5,800曲を越えるMuseデータが存在します。一応体系的にデー
; タ管理はしているのですが、ロードまでの手数がどうしても掛かります。そこで
; 巷のアプリケーションの様に、履歴を覚えていくことにしました。実装を終え、
; しばらく試験運用していると、一過的な履歴だけでなくそれをパーマネントに記
; 憶するアルバム機構も欲しくなってしまいました。しかし必要以上に煩雑な機能
; 構造にはしたくありません。通常は履歴機構だけが見え、アルバム機構が欲しく
; なった人が何かをすると初めてそれを享受できる。そんな思想で組み込みたいと
; 考えました。アルバムの編集に関して、はじめは手の込んだダイアログを開発し
; ようとも思っていたのですが、Muse利用者のミューザーたちはテキスト編集はお
; 手のもののはず。ここはミュージストらしく、ダイレクトに履歴ファイルを編集
; してもらう方針で行こうと決めました。お陰で、実にすっきりとした機能仕様に
; なったと思います。ミューザーの皆さんが開発されたMuse支援ツールのように高
; 度なアルバムの編集や再生の機構は持っていませんが、簡易版としては十分使用
; に耐える出来だと思っています。ぜひ試してみて下さい。
; ◆圧縮解凍ソフトやメールの添付から直接Museデータを立ち上げる場合、Windows
; のテンポラリフォルダからデータがロードされますが、その際Museのメインウィ
; ンドウタイトルが長くなりすぎて演奏時間が表示されないという不満が、少なく
; とも私自身には強くありました。私にはそのシチュエーションがとても多いので
; す。そこでちょっとした改善ではありますが、テンポラリフォルダは@マークに
; 集約して表示することにしました。更に今回新設した履歴も更新しないようにし
; てあります。次回アクセス時に「ありません」とエラーになるだけなのでテンポ
; ラリフォルダのデータを覚えても仕方ありません。こういった配慮はソフト設計
; でとても大切だと思うのですが、Microsoftの製品でも記憶してしまうようです。
; ◆かねてより要望のあった「常に手前(T)」と「繰返し演奏(R)」を、起動引数にて
; ONにするという機構を実現しました。更に、これもまた以前より要望の高かっ
; た、「データ編集(D)」におけるテキストエディタの任意指定も可能にしました。
; この指定は、直接初期化ファイル(muse.ini)に登録してもらうことにしています。
; ついでに履歴機構に対するいくつかの制御も、この初期化ファイルで行える様に
; しました。こうなってくると将来、この初期化ファイルにいろいろなユーザ指定
; を背負わせる可能性があります。そこで、今回初期化ファイルの書式を大幅に見
; 直し、ユーザ指定領域[USR]とシステム管理領域[SYS]を明確に可読できるように
; しておきました。フォーマットが変わったので、新バージョンを立ち上げた時、
; 初回はウィンドウの位置や選択音源がデフォルトに戻りますが、次回起動時から
; 通常どおり運行しますのでご安心下さい。また、Museの初期化ファイルは読込み
; 時の解釈を広く取っていますので、編集したことで立ち上がらなくなるといった
; 悲劇が起こりにくいようにしたつもりです。過去の話ではありますが悪名高い
; win.ini のようなことはありませんので、果敢にお試し下さい。
; ◆Zメンバーをメロディパートに転向させるエクスクルーシブの存在を、草場さん
; から教えてもらったので、これを *DRUM コマンドとして実装しました。加えて、
; ソフト音源VSCは、このエクスクルーシブを単純送信するとブルースクリーンに
; なって固まってしまうという不具合の存在と、それを回避する方法も教えてもら
; いました。Museコンパイラには、もちろんそのノウハウを埋め込んでおきました。
; こういう最適化があってはじめて、単なる“ファイル変換”ではなく“コンパイ
; ラ”であると胸を張って言えるのだと常々思っています。Museを使っている限り、
; 文字通りブルーにならず音楽に没頭できますので、安心してお使い下さい。
; ◆フィンガー拍数の左肩にあった[偶奇]ボタン。単に4/4拍子と3/4拍子を切
; り替えるだけの影の薄い存在でしたが、今回このボタンを撤廃し譜面モニタの拍
; 子切り替えと連動する様にしました。これで表示できる拍子のバリエーションが
; 一気に広がりました。なぜ今までこの連動デザインに気づかなかったのだろう!
; これで、譜面モニタ・メンバー色一覧・フィンガー拍数が有機的に結びつく状態
; となりました。とても美しい構成です。もう一つフィンガー拍数に関して改修を
; 行いました。あまりフィンガー毎に肌理細かく指定しない“x”指定をフッター
; 部に移動し、リスト部を(ほんのちょっとですが)スリムにし可読性を高めました。
; 本当は邪道な“?”指定こそフッターに降ろせ! という声が聞こえてきそうです
; が、私自身が多用しているため、残留をお許し下さい(苦笑)
; ◆Museの特徴の一つに、鍵盤上部エリアへのテキスト表示があります。これを活用
; したテキストアニメーションなど、Museによる表現の一大ジャンルになっている
; ぐらいです。このTEXT系コマンドのデータは、MIDIファイルへのエクスポートの
; 際、Lyricイベントで出力されますが、巷のMIDIプレーヤーではそれらデータの
; 価値を発揮できず、単なる容量増にしかなりません。そこで今回、エクスポート
; における保存のコモンダイアログを拡張カスタマイズして、最下部に“テキスト
; 系コマンドのデータを出力しない”というチェックボックスを加え、オプション
; 選択ができるようにしました。結果として期待したほどファイル容量は小さくな
; りませんでしたが、まあMIDI音源の負担を少なくする効果はあると思います。
; ◆長い時間放置したプログラムをまたメンテナンスし始めると、自分の開発したソ
; フトであっても客観的な視点で検証することになりますし、またテスト段階でも、
; 当時想定していなかったオペレーションをしたりして、新たな不具合を見つけ出
; すといった効能もある様です。今回もそんな不具合に遭遇しました。譜面モニタ
; をスクリーンいっぱいに横に広げた際に、その状態が初期化ファイルに記憶され
; ないという不具合を見つけました。「ゲッ!いろいろ手を加えたので改悪してし
; まったか・・・」と一瞬思ったのですが、なんと過去バージョンでも再現する現
; 象でした。ウィンドウをスクリーンの四隅にフィットさせる機構との絡みがあり、
; この修正は結構難解だったのですが、どうにか手直しできました。
; ◆もう一つ。これも不具合改善の範疇だと思います。今回の履歴機構の導入で次々
; と曲をチョイスしていけるようになったのですが、直前の曲の残響が激しい場合
; に、そのコントロール効果が次曲に影響し、とんでもない演奏になってしまう症
; 状を見つけました。この現象は、曲の切り替えをスピーディに行えば従来のバー
; ジョンでも出る症状なのですが、それが出にくかったのです。試みに症状の出る
; データ群をエクスポートし、それらMIDIファイルを使ってWindows Media Player
; に連続ドロップする実験をした所、全く同じ現象が起こりました。つまり、MIDI
; 音源のコントロールの本質的な部分に関わる制御なわけです。オール・ノートオ
; フやオール・サウンドオフ、リセット・オール・コントローラなど、かたっぱし
; から送信を試みましたが事態は改善しません。MIDI仕様のマニュアルをよくよく
; 読んでみると「NRPNで設定されたバリューはリセット・オール・コントローラを
; 受信してもリセットされません」とか「プログラムチェンジ、バンクセレクト、
; ボリューム、リバーブ、コーラスなどはリセットしません」と書いてある始末。
; これじゃあ“オール”じゃないじゃん。リセット・チョット・コントローラとで
; も名前を変えて欲しいです(笑)。冗談はともかく、こうして大変な試行錯誤を繰
; 返している内にある方法を思い付き、結果として解決に至りました。この対策の
; 効果は素晴らしく、Muse上で演奏を停止すると残響も含めてスパッと止まります。
; まるで竹を割ったかのような心地良さ。少々大袈裟かもしれませんが、Museのプ
; レーヤー性能は、Windows Media Playerを凌駕したのかもしれません。とにかく、
; これで自信を持ってVer5.0を皆さんにリリースできるというものです。
; ◆ううっ、今回の開発後記は今までの最長記録かもしれない(苦笑)。最近、改版頻
; 度は低下気味ではありますが、これからも魂を込めて開発を続けていく所存です
; ので、ミューザーの皆様今後ともよろしくお願いいたします。8年経っても未だ
; 開発項目の残リストは山のようにあるんです。
#2 Redmine Admin がほぼ11年前に更新
- 題名 を Muse V5.0 から Muse V5.00 に変更