SoundFont?とは、ピアノやギター、ドラムなどの楽器波形が収録されたファイル。 特定のソフトウェアで読み込ませると、Midiデータを再生するための音源として使うことができる。
Museも、Ver6.1より正式対応し、SoundFont?を音源代わりに利用できるようになった。
SoundFont?ファイル(拡張子 sf2)、または、楽団編成ファイル(拡張子 sfm)ファイルを、一つのフォルダに格納する。 このフォルダは、次のステップでmuse.iniに指定する場所となる。
SoundFont?をMuseからしか利用する予定がない場合は、Museフォルダの中に「SoundFont?」などの名前でフォルダを作り格納すると良い。 なお、インストーラー版Museのデラックス版をインストールすると、自動的にSoundFont?格納用フォルダが生成される
一方、TimidityやSFZなど、他のソフトウェアでSoundFont?を利用している場合は、既にSoundFont?を格納しているフォルダを指定すると良い。
ただし、フォルダへのSoundFont?ファイルの格納ルールには以下の制限があるので注意のこと。
初期化ファイル「muse.ini」を開き、「#SF」エントリーに、前ステップで準備したフォルダのパスを指定する。 フォルダのパスは、絶対パスまたは、起動するMuseのディレクトリーを基準とした早退パスで指定する。
Explorerを使用している場合は、SoundFont?のフォルダを右クリック(アプリケーションキー)し、「パスをコピー」を選択することで、フルパスの取得ができる。 なお、OSによっては、Shiftキーを押しながら操作しなければ表示されないことがある。
前述までのステップが正常に行なえていれば、Museの「音源」メニューにある「SoundFont?」の展開、及び、SoundFont?の選択が可能となる。
なお、楽団編成ファイルは、項目名の冒頭に「*」記号が付与された上で、SoundFont?よりも後に表示される。
「楽団編成ファイル」とは、複数のSoundFont?、SFZ形式SoundFont?、及び、MuseLoid対応音源を同時に使用するための情報を書き込んだファイルである。
楽団編成ファイルには、一行に一つSoundFont?(拡張子 sf2 または sfz)を指定する。 これによって、指定したSoundFont?の音色をそのまま利用できるようになる。
また、SoundFont?から特定の音色だけを利用したい場合や、SFZ形式のSoundFont?をピアノ以外の楽器に割り当てたい場合には、末尾に半角縦棒「|」と楽器番号やバリエーション番号を指定する。 なお、バリエーション番号 128 に割り当てた楽器はドラムセットになる。
a340.sf2 | 1 * ピアノ(標準) a340.sf2 | 22 /8 * アコーディオン(バリエーション8) a340.sf2 | 41 * バイオリン(標準) FluidR3 GM.sf2 | 20 * 教会オルガン(標準) FluidR3 GM.sf2 | 26 /16 * スチールギター(バリエーション16) drumset.sf2 | 17 /128 * ロックドラム sfz\music box.sfz | 11 * オルゴール(標準) SGM-V2.01.sf2 * 残りすべての楽器とバリエーション
採用される楽器(音色)は、先に記述した行の指定が優先される。 最初の行のSoundFont?がまずロードされ、楽器の音色に抜けがある場合に、次の行のSoundFont?の楽器音色がロードされる。 このため、以下のような手順で楽団を編成していくと良い。
なお、楽団編成ファイルの中で「*」を使用すると、行末までに記述された内容をコメントアウトすることができる。 割り当てた楽器の情報などを記述すると良い。
SoundFont?の中には、楽器番号やバリエーション番号が標準的な音源と異なっているものがある。 そのSoundFont?から、必要な楽器を抽出するには、小なり記号「<」を挟んで、割付先と採用音色を指定する。
FluidR3 GM.sf2 | 22/16 < 73/8
上記の記述では、オルガン3(バリエーション16)の音色を、フルートのバリエーション8に設定している。
MuseLoid対応音源を指定するには、該当する音源の設定情報が記述されたファイル「拡張子 sfz」が格納されたフォルダのパスを指定する。 さらに、「|」記号で区切り、割り付ける楽器の番号を指定する。
テスト-ML\sfz | 53
と記述すると、「テスト-ML」というMuseLoid対応音源を、 P53 に設定することができる。
SoundFont?を音源として利用する場合には、以下の要点に注意する必要がある。
なお、諸熊氏の管理する「SoundFont聞き比べコーナー」にて、SoundFont?の聞き比べや代表的な入手先を確認することができる。
ここでは、掲示板で話題となったSoundFont?の一部を紹介する。なお情報の追記大歓迎である。
現在のTimidityに同梱されている軽量SoundFont?。一部MSGSと似た音が出るが、基本的にEMU系統の音が出る。バランスは比較的良好。
Public domainのSoundFont?。原版の配布元は消滅しているが、他サイトで入手可能。多くの音がステレオサンプリングであり、音質は良好だが癖が強い。なお同GSのフォントも入れればSFX系の音が鳴らせるようになる。
汎用性の高いSoundFont?。バランスが良く、この近辺のSoundFont?の中では扱いやすい。配布元では現在も更新が続いている。
合計すると600MBを超える巨大なGMのSoundFont?。残響が深いため、煌びやかな音が出る。音質や音色の目新しさには優れる。
視聴用としては最も優秀とされているSoundFont?。バランスが重視されており、SC-88ProのGS向けMidiの演奏にもそこそこ対応できる。ただし個々の音色が凡庸。
バリエーション127にもドラムがアサインされているが、XG専用ドラムではない。
巨大でバランスの良いSoundFont?。GMのMidi演奏においてはSGMを上回る性能を発揮できる。なお容量が3分の1以下になった「A340」というSoundFont?がある。
Windows98/2000時代に搭載されていたサウンドカードからリサンプリングされた音源。 リサンプリングによって音質が劣化しているが、GS/XG SFX/XGドラムが利用できる。
バリエーション64に XG SFX, バリエーション 126〜127 に XG対応ドラム がアサインされている。このため、以下の点には注意が必要である。
GS/XG/GM2への対応として多くのバリエーション音色が詰め込まれたSoundFont?。他サウンドフォントと比べるとかなりの音量がある。
バリエーション64に XG SFX, バリエーション 126〜127 に XG対応ドラム がアサインされている。このため、以下の点には注意が必要である。
SoundFont?を「Midi音源」として使用できるソフトウェア自体はMuse以外にも多数存在している。 その中には、メディアプレイヤー等でMidiを再生する際の規定の音源として利用できるものがあり、Museからも「音源」として選択することができる。
以下に、代表的なソフトウェアを紹介している。細かい所でMuseと異なる挙動をするため、必要があれば試してみると良い。
GUSパッチやSoundFont?を用いてMidiデータの再生ができるソフトウェア。 オープンソースのため、有志による独自拡張の施されたバージョンが点在している。
MidiYoke?などのソフトウェアを用いることで、Museからも音源として使用することができる。また、規定のMidi音源としてドライバー組み込みのできるバージョンが配布されていた時期もあった。
設定は複雑であるが、インサーションエフェクトや、バリエーションの細かい指定が可能である。
SoundFont?やSFZに対応したMidiドライバー方式のソフトウェア。メディアプレイヤー等から既定のMidi音源として使用することができる。
Museも、 V6.1〜V7.5 までは、このソフトウェアの機能を借りる形でSoundFont?の利用を提供してきた。
利用しているライブラリー「BASS」が同一であるため、基本的にMuseからSoundFont?を利用する場合に近い演奏表現が可能である。ただし、以下の点が異なっている。