Release #111

Muse V5.30

Redmine Admin10年以上前に追加. 10年以上前に更新.

ステータス:終了開始日:2008/02/09
優先度:通常作業時間の記録:-
担当者:-
カテゴリ:-
対象バージョン:-

説明

波形加工に遅延効果が使えるようになった。


関連するチケット

関連している Bug #19: (V5.30)メンバー情報ダイアログをクローズし再び開くと楽器名が表示されない 終了 2008/02/09 2008/02/09

履歴

#1 Redmine Admin10年以上前に更新

;《Ver5.3 開発後記》2008.02.06
;
; ◆初版から継続してきたダイアログ名称「メンバ色一覧」と「フィンガー拍数」を、
;  それぞれ「メンバー情報」と「フィンガー情報」に変更する事にしました。初版
;  の頃は単一機能であったため「名が体を表して」いたのですが、その後多くの機
;  能が付加され、違和感を感じるようになったためです。考えてみるともっと早く
;  実施すべきだったかもしれません。
; ◆その「メンバ色一覧」改め「メンバー情報」に対して2つの強化を行いました。
;  一つ目は、楽器名にバリエーション番号を添えて表示するようにしたことです。
;  これはバリエーションをサポートした頃から実現したかったテーマでしたが、バ
;  ンク切替と楽器選択とが微妙に絡んだ処理ですし、シークバーを動かした時もき
;  ちんと追従させなければなりません。その複雑さに今まで二の足を踏んでいたの
;  です。しかし今回無事対応することが出来、リアルタイムにバリエーションも表
;  示されるようになりました。また、バリエーション番号の表示域を確保しつつ、
;  従来のウィンドウサイズを維持するため、フォントサイズを一段落としました。
;  副次的に以前より引き締まった印象となり悦に入っています。
; ◆「メンバー情報」の二つ目の強化は、キーボードでメンバー毎のミュートを可能
;  にしたことです。昨年は視覚障害を持つ優れたミューザーの方々とお近づきにな
;  る事ができました。特に横田さんはオフ会にも参加してくれました。ハンディキ
;  ャップをものともせず、明るく前向きで活動的なその姿にとても感激しました。
;  キーボードからの発音ON/OFF制御は、以前から実現を計画していたのですが、ダ
;  イアログからのキーイベントが取得できないという根本的な部分で挫折し続けて
;  いました。今回横田さんにお会いし、この構想のお話しをすると「それは便利そ
;  うです。ぜひ欲しいですねぇ~」と微笑みました。その微笑が再度挑戦する気持
;  ちに火を付けたのです。今度の挑戦で、フックを仕掛ける方式で成功することが
;  わかり、とうとう実装に漕ぎ着けました。これでマウスという入力デバイスを扱
;  えない方々も、メンバー毎の音の確認が簡便にできるようになるはずです。
; ◆初めこのキーによるON/OFF制御の仕様は、マウスクリックと同様に「トグル」で
;  切り替えることを考えていました。しかし★/☆の表示が確認できないユーザー
;  にとってこの「トグル」方式は、その時点のON/OFF状況が掴みにくく、迷子にな
;  りやすい仕様であることに気づきました。そこで大文字ならON、小文字ならOFFと
;  「一意」な操作仕様にすることにしました。その他にも、Spaceや矢印キーによる
;  演奏やリロードの制御を「メンバー情報」ダイアログから可能にしたり、不用意
;  にウィンドウフォーカスを移動させない様にするなど、数々の配慮を施しました。
;  皆さんのMusing効率が高まれば幸いです。
; ◆「メンバー情報」以外にも大きな強化を実施しました。今まで何度もトライして
;  は挫折し続けていたマクロの繰返し数ゼロ指定です。これが完成すると *STOP""
;  を記述して、それ以降に定義マクロを連ねるという構成上の制約から解放され、
;  定義マクロをどんな場所でも自由に記述することができる様になります。しかも
;  Muse文法としての審美感が高まる点も大きな魅力です。その事は何年も前から気
;  づいてはいたのですが、定義マクロであってもデフォルトでまずは展開するとい
;  うMuseの根本的なコンパイル・アーキテクチャが横たわっており、改造に着手し
;  ては失敗を繰り返していました。“0”と“1”では大違い。そこには論理処理
;  としての大きな溝が存在しているのです。人類が自然数から脱皮し、ゼロを数学
;  上の論理記号として活用するのに長い時間を要したのがわかる気がします。
; ◆今回、一度展開した中間解析リストを部分的に離脱するというアイディアが閃き、
;  処理速度やメモリ効率の低下を起こすことなく、実装することに成功しました。
;  その品質テストは、マクロの階層記述や、展開マクロ・定義マクロが入り組んだ
;  複雑なパターンがあるので眩暈がするほど大変な作業でしたが、思いつく限りの
;  検証をして完成させたつもりです。後は皆さんに駆使して頂けたらと願わずには
;  居られません。
; ◆MIZさん、お待たせいたしました。波形加工遅延機構のご提供です。オフ会の折、
;  「皆さん、どんな機能強化をお望みですか?」という私からの問い掛けに、いの
;  一番にこの機構を挙げたMIZさんの、控えめな声が忘れられません。そこには、
;  実際のMusing局面でこの機構を何度と無く必要とした経験が強く感じられました。
;  しかし、波形加工は単独出力であってもNRPNとDataEntryを組み合す大変神経を
;  使う処理です。そのため今までは、遅延による連続変化の実装になかなか踏み込
;  めないでいました。Museが複数の特性パラメータを一気に指定する文法なため、
;  ますます難度の高いものになっていたのです。出来上がってみると、ある波形特
;  性から別の波形特性に向かって、複数のパラメータを並列して変化させるという
;  他のシーケンサーには見られない連続変化を容易に記述できる使用となりました。
; ◆現在譜面モニタには、[G][T][A]の3つのボタンが存在します。その内、[G][T]は
;  既にショートカットキーが割り当てられているのに対し、[A]だけはありません。
;  常日頃から気になっていたのですが、それ程優先度も高くないため放置してきま
;  した。今回はキーボード処理をいろいろと探索したので、ついでに本件も対応し
;  [@]キーを割り当てる事にしました。[G]エンター、[T]タブ、[A]アットと、比較
;  的直感的なアサインとなり、なかなか気に入っています。(エンターは、Go!とい
;  うイメージです。突っ込まないで下さい)苦笑
; ◆今回の強化テーマ群は、謀らずも永年挫折や放置を繰り返した内容で占められる
;  ことになりました。普段の私なら、ちょっと試してみてまたすぐ諦めてしまった
;  かもしれません。しかし今回は違いました。その気概を与えてくれたのは、他な
;  らぬミューザーの皆さんの声や笑顔である事は疑う余地がありません。私一人が
;  閉じた世界で開発を続けていたらある所で妥協し、決してこれだけの粘りは出せ
;  なかったことでしょう。皆さん、これからもよろしくお願いします。

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