*概要 [#gc9a36f9]
[[MuseLoid>MuseLoid]]は、Museを用いて歌を歌わせるためのプロジェクト。初出は2015年4月に開催されたMuseのオフ会での話題提起。
#author("2022-01-26T00:26:20+00:00;2022-01-26T00:25:47+00:00","","")
#contents
*概要 [#o6143fa4]
MuseLoidは、Museを用いて歌を歌わせるためのプロジェクト。この話題は2015年4月に開催されたMuseのオフ会で初めて挙がった。サウンドフォントで五十音の発声データを準備しておき、それをMuse側から何らかの方法で切替ながら発音させることで、従来の演奏と並行して、歌唱も可能になるのではないかという発想であった。

決められた書式で歌詞データを記述し、[[MuseLoid>MuseLoid]]を導入したMuseで演奏することで、演奏と同時に歌を歌うことが可能となる。
*MuseLoid導入手順 [#oa983de5]

----------------------------------------
**手順の流れ [#t9ba8574]
#ref(MuseLoid設定手順3.png)
- 楽団編成ファイルは、MuseLoid歌手の数だけ必要
-- Museデータに楽団編成ファイルが添付されていることもある。その場合は添付のsfmファイルをSoundFontフォルダへ放り込めば良い。

*[[MuseLoid>MuseLoid]]導入手順 [#z1905984]
**1. SoundFontの格納パスを指定 [#o9da593b]
[[MuseLoid>MuseLoid]]を利用するためには、SoundFontが使えるよう設定することが必要である。
**1. サウンドフォントの格納パスを指定 [#mec0c3e5]
MuseLoidを利用するためには、サウンドフォントが使えるよう設定することが必要である。~
Museの設定ファイル「MUSE.ini」を開き「、「#SF」パラメーターにサウンドフォントの格納先を記述する。~
#ref(MuseLoidの構築 (1).PNG,,66%)
#ref(MuseLoidの構築 (2).PNG,,66%)

Museの設定ファイル「MUSE.ini」を開き「、「#SF」パラメーターにSoundFontの格納先を記述する。
なお、MuseLoid対応音源と伴奏用のサウンドフォントとを混同しないよう、専用の「MuseLoid」フォルダを作っておくと良い。~
この「MuseLoid」フォルダは、「#SF」フォルダとは依存関係のない位置に作成することができる。
#ref(MuseLoidの構築 (3).PNG,,66%)

なお、記述したSoundFont格納先フォルダの中に、「[[MuseLoid>MuseLoid]]」フォルダを作っておくと良い。
**2. MuseLoidに準拠した音源を入手 [#wd7afd8e]
Museに歌わせるために、歌声のデータが収録された音源ファイル(サウンドフォントまたはSFZ)を入手する。~
入手したサウンドフォントは、手順1で作成したMuseLoid用のフォルダに保存する。~
MuseLoid準拠の音源は、インストーラー版Museに同梱されている他、[[MuseLoid対応音源一覧]]のページからも入手可能である。
#ref(MuseLoidの構築 (4).PNG,,66%)

**2. [[MuseLoid>MuseLoid]]に準拠した音源を入手 [#m80d2252]
Museに歌わせるために、歌声のデータが収録された音源ファイル(SoundFontまたはSFZ)を入手する。
**3. Museの楽団編成ファイルを作成する [#b443880a]
歌と演奏とを組み合わせるために、演奏で使うサウンドフォントを定義する楽団編成ファイル(sfmファイル)を作成する。~
楽団編成ファイルは、メモ帳などのテキストエディタを用いて、以下のようにファイルを記述する。~
(アスタリスク以降、行末まではコメント。相対パス基点は#SFフォルダ)

入手したSoundFontは、手順1で作成した[[MuseLoid>MuseLoid]]用のフォルダに保存する。
 *ミューズロイド用サウンドフォント(SFZフォルダ名に割り付け先の楽器番号を添える)
 d:\hoge\MuseLoid\MuseLoid-hoge2\sfz\ | 53
 
 *伴奏用サウンドフォント(SF2形式はファイル名で記述)
 d:\hoge\piyo\piano1.sf2

※なお、インストーラー版Museには、最小限の歌唱が可能なSoundFont「[[MuseLoid>MuseLoid]] lite」が同梱されている。
上記ファイルを、「hoge楽団.sfm」などのファイル名で保存する。保存する場所は、「#SF」パラメーターに記述したフォルダである。
#ref(MuseLoidの構築 (5).PNG,,66%)

**3. Museの楽団設定ファイルを作成する [#ud683b8f]
歌と演奏とを組み合わせるために、演奏で使うSoundFontを定義する楽団設定ファイル(sfmファイル)を作成する。
(注)ミューズロイド音源の割り付け先は、演奏互換性という観点から、歌声に近い楽器番号を採用することが望ましい。この配慮により、通常音源で再生した場合でも違和感の無い演奏が期待できる。参考として以下に候補例を示す。
 P53:合唱アー   	 男声(合唱)
 P54:独唱オー   	 男声(独唱)
 P55:シンセボーカル	 女声(合唱)
 P86:ソロボーカル 	 女声(独唱)
 P92:スペースボイス	 (予備)
#ref(MuseLoidの構築 (6).PNG,,66%)

楽団設定ファイルは、メモ帳などのテキストエディタを用いて、以下のようにファイルを記述する。
**4. Museで動作確認 [#r7470b08]
Museを起動し、「音源」 → 「SoundFont」内に表示される、楽団編成ファイルを選択する。~
読み込みが正常に行えたら、「楽器の試聴」を用いて、 P53/50 などの音色を試聴する。~
※なお、インストーラー版Museでは、最小限の歌唱が可能なMuseLoid対応音源が付属されており、さらにインストール直後からすぐに歌えるよう、上記で解説した一連の指定が設定済みである。

#hr
*MuseLoidに歌わせる [#ibc5a9cf]

 MuseLoid\MuseLoid-lite-170109.sf2
 emuaps_gmgs.sf2
**実際の歌わせ方 [#y79ae0b9]
MuseLoidは通常、合唱アー(P53)、独唱オー(P54)、シンセボーカル(P55)などの楽器にアサインされ、それらのバリエーション番号50〜124に五十音の発声が収録されている。~
このため、以下のようにバリエーション変更を用いて発音を変更しつつ、実音を入力することで歌わせる。

#hr

上記ファイルを、「[[MuseLoid>MuseLoid]] lite.sfm」などのファイル名で保存する。保存する場所は、「#SF」パラメーターに記述したフォルダ。

※「ファイルの種類」は「全てのファイル」にすること。メモ帳などが、ファイルの末尾に勝手に「.txt」を付けるのを抑制できる。

**4. Museで動作確認 [#j381f75e]
Museを起動し、「音源」 → 「SoundFont」内に表示される、楽団設定ファイルを選択する。

読み込みが正常に行えたら、「楽器の試聴」を用いて、 P53/50 などの音色を視聴する。

----------------------------------------

*[[MuseLoid>MuseLoid]]に歌わせる [#r80c9f15]

**実際の歌わせ方 [#o584ac39]
[[MuseLoid>MuseLoid]]は、合唱(P53)などのバンク50〜124までに50音が収録されている。
このため、以下のようにバンク切り替えにて発音を変更しつつ、実音を入力することで歌わせる。

#hr

 #A0@ ; 発音
   P53/55 _ P53/53 _ P53/92 _ P53/75 _
   P53/52 _ P53/65 _ P53/100 _
 #A0@ P53 ; 発音楽器の指定
   P/55 _ P/53 _ P/92 _ P/75 _  ; かえるの
   P/52 _ P/65 _ P/100 _          ; うたが
 
 #A1 ; 実音
 #A1 ; 音程の指定
   d r m f
   m r d

#hr
1フィンガーで記述することもできる。

**発音/バンク対応表 [#h73a051d]
発音とバンクとの対応は、以下の表の通りである。
 #A0 @P53
   P/55 d P/53 r P/92 m P/75 f
   P/52 m P/65 r P/100 d

| あ行 | バンク | い行 | バンク | う行 | バンク | え行 | バンク | お行 | バンク |h
| あ | 50 | い | 51 | う | 52 | え | 53 | お | 54 |
| か | 55 | き | 56 | く | 57 | け | 58 | こ | 59 |
| さ | 60 | し | 61 | す | 62 | せ | 63 | そ | 64 |
| た | 65 | ち | 66 | つ | 67 | て | 68 | と | 69 |
| な | 70 | に | 71 | ぬ | 72 | ね | 73 | の | 74 |
| は | 75 | ひ | 76 | ふ | 77 | へ | 78 | ほ | 79 |
| ま | 80 | み | 81 | む | 82 | め | 83 | も | 84 |
| や | 85 | | | ゆ | 87 | | | よ | 89 |
| ら | 90 | り | 91 | る | 92 | れ | 93 | ろ | 94 |
| わ | 95 | | | ん | 97 | | | を | 99 |
| が | 100 | ぎ | 101 | ぐ | 102 | げ | 103 | ご | 104 |
| ざ | 105 | じ | 106 | ず | 107 | ぜ | 108 | ぞ | 109 |
| だ | 110 | ぢ | 111 | づ | 112 | で | 113 | ど | 114 |
| ば | 115 | び | 116 | ぶ | 117 | べ | 118 | ぼ | 119 |
| ぱ | 120 | ぴ | 121 | ぷ | 122 | ぺ | 123 | ぽ | 124 |
**発声/バリエーション対応表 [#uc416465]
発声とバリエーション番号との対応は、以下の表の通りである。~
&color(#FF0000){ただし、表中の[ぢ]と[づ]は、それぞれ『でぃ』『どう』と発声する};

**発音の記述を簡便にする [#e32ad439]
|~ア行 | 050:あ | 051:い | 052:う | 053:え | 054:お |
|~カ行 | 055:か | 056:き | 057:く | 058:け | 059:こ |
|~サ行 | 060:さ | 061:し | 062:す | 063:せ | 064:そ |
|~タ行 | 065:た | 066:ち | 067:つ | 068:て | 069:と |
|~ナ行 | 070:な | 071:に | 072:ぬ | 073:ね | 074:の |
|~ハ行 | 075:は | 076:ひ | 077:ふ | 078:へ | 079:ほ |
|~マ行 | 080:ま | 081:み | 082:む | 083:め | 084:も |
|~ヤ行 | 085:や | 086:ヰ | 087:ゆ | 088:ヱ | 089:よ |
|~ラ行 | 090:ら | 091:り | 092:る | 093:れ | 094:ろ |
|~ワ行 | 095:わ | 096:ゐ | 097:ん | 098:ゑ | 099:を |
|~ガ行 | 100:が | 101:ぎ | 102:ぐ | 103:げ | 104:ご |
|~ザ行 | 105:ざ | 106:じ | 107:ず | 108:ぜ | 109:ぞ |
|~ダ行 | 110:だ | 111:ぢ | 112:づ | 113:で | 114:ど |
|~バ行 | 115:ば | 116:び | 117:ぶ | 118:べ | 119:ぼ |
|~パ行 | 120:ぱ | 121:ぴ | 122:ぷ | 123:ぺ | 124:ぽ |

**発音の記述を簡便にする [#wfd42d78]
以下のように発音をマクロ化すると、記述が簡便になる。

#hr
 $a{P/50}
 $i{P/51}
 $u{P/52}
 $e{P/53}
 $o{P/54}

 $a{P53/50}
 $i{P53/51}
 $u{P53/52}
 $e{P53/53}
 $o{P53/54}

#hr

さらに、*TEXTの追記コマンドをマクロに含めることで、歌うと同時に歌詞も表示できる。

#hr
 $ka{P/55 *"か"}
 $ki{P/56 *"き"}
 $ku{P/57 *"く"}
 $ke{P/58 *"け"}
 $ko{P/59 *"こ"}

 $ka{P53/55 *"か"}
 $ki{P53/56 *"き"}
 $ku{P53/57 *"く"}
 $ke{P53/58 *"け"}
 $ko{P53/59 *"こ"}
以下のファイルに、全ての発音をマクロ化してあるので、Museデータに張り付けて使用すると便利である。

#hr
- [[MuseLoidマクロテンプレート(シンプル版):https://musewiki.dip.jp/morokuma/museloid_macro.txt]]
- [[MuseLoidマクロテンプレート(デラックス版):https://musewiki.dip.jp/morokuma/museloid_macro_d.txt]]

以下のファイルに、全ての発音をマクロ化してあるので、Museデータに張り付けて使って下さい。
マクロを使うと、かなり見通しが良くなる。

-&ref([[MuseLoid>MuseLoid]]_voices.txt,,[[MuseLoid>MuseLoid]]用発音マクロ);
 #A0 @P53
   ${ka} d ${e} r ${ru} m ${no} f
   ${u} m ${ta} r ${ga} d

**特殊な発音 [#ra9a8564]

***拗音 [#s1651bf2]
「きゃ」などの拗音は、2つの発音を素早く切り替えることで対応できる。
**特殊な発音 [#p2b580d9]

#hr
***拗音 [#j8011693]
「きゃ」などの拗音は、2つの発音を素早く切り替えることで対応する。すなわち、先行する発声を修飾音として記述する。

 ${ki} d32 ${xya} d4~32 ; きゃ
 ${fu} d32 ${i} d4~32 ; ふぃ

#hr

***促音 [#wa3f9d5f]
***促音 [#x7ebaf2a]
「っ」は、休符やスタッカートを用いることで表現できる。

#hr

 ${ki} d8 _ ${pu} d ; キップ

----------------------------------------

*[[MuseLoid>MuseLoid]]を作る [#g1a33f2b]
[[MuseLoid>MuseLoid]]は、50音の音声データが準備できれば作ることができる。
*MuseLoid歌唱のTips [#m062d5b2]

この章では、[[MuseLoid>MuseLoid]]作成の基本的な手順と留意事項を記載する。
 「ぎょ」や「しゃ」と言った発音は、装飾音「ぎ」+「ょ」、そして装飾音「し」+「ゃ」でうまくいくと思います。
 字の大きさが「ぎ」「し」が大きく「ょ」「ゃ」が小さいので、「ぎ」「し」が主で、「ょ」「ゃ」が従と捉えがちですが
 実は逆で、「ぎ」や「し」が修飾音で、「ょ」や「ゃ」が主音です。
 装飾音の長さはスローテンポな曲ならば、発音が間延びせぬよう64分音符で違和感がありません。

**[[MuseLoid>MuseLoid]]作成に必要なもの [#lf3ff41e]
+50音の音声データ(waveファイル)
+SoundFontの作成環境(sf2、またはsfz)
 単なるふりがなとは異なる点もある程度考慮せねばなりません。
 「そつぎょうしゃしん」ではなくて「そつぎょおしゃしん」と歌わせると違和感無く聞こえます。
 同様に「そのままだったから」は「そのままだあたから」となります。
 また「しかって」の場合、実際に歌われるのは「しかあて」に近いです。

**作成手順 [#tdd6873c]
基本的には、50音の音声データを、対応する音色バンクにアサインするだけで作ることができる。
 「もっと」と言った発音は、「っ」を無音(あるいは休符)と考えるとうまく行きます。
 「もっと」の場合は、「も」を強めのスタッカートにして、すぐに「と」を続けます。
 「っ」という発声が存在しない方が、「っ」に聴こえるから不思議です。

ただし、[[MuseLoid>MuseLoid]]の品質を高めるためには、以下のような編集を行うことが有効である。
-ループを設定して発音が途切れないようにする
-エフェクトをかけてバランスを整える
-複数の音階の録音データを使う
 経過で現れる「母音」(あいうえお・ん)は w もしくは v で発音を小さくすると自然に聞こえます。
  ・「あいたい」= 冒頭の「あ」は強いですが「い」は小さい音になります。
  ・「だんご」=「ん」が弱い音。
 
 また、経過で現れる「し」「す」も、実は発音が小さくなる場合が多いです。
  ・「あした」 = 「し」はかなり小さい音になると思います。同じ強さだと棒読みに近くなります。
  ・「ございます」 = 実際の「す」はほとんど聞こえないくらいの発音です。

**録音のガイドライン [#v79245bc]
50音を録音する場合の留意事項を示す。
*MuseLoid音源の作り方 [#nb514dd9]
以下を参照

***録音する声 [#ma1ac2f0]
「発音/バンク対応表」に記載されている71の音を、最低音域、中音域、最高音域で発声し、録音する。
https://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se518715.html

なお、SoundFont化においては、以下の音域内で発声できる音を録音すると良い。
&ref(MuseLoidCheck.mus);
作った(MuseLoidを一通り聞きたいときに便利なMuseデータ)

o1m s+ o2d m s+ o3d m s+ o4d m s+ o5d m s+ o6d m s+ o7d m
[[MuseLoidの歌手を自作する>MuseLoid/MuseLoidの歌手を自作する]]

上記は、各音と音の間が4つ離れている「4度」と呼ばれ、楽器を自然に聞こえるようサンプリングする際に用いられている。

***録音環境 [#j7b1fba1]
-できるだけ静かな部屋で録音し、ノイズの混入を避ける
-録音機の自動音量調整機能は停止した方が良い
-後から編集するため、音質は、可能な限り高音質(PCM 44KHz, 16bit以上)

***発声時の注意事項 [#v9d9ddaa]
-音程は多少ずれていても良いので、はっきりと発音する
-「あ〜〜」のようなゆらぎは避け、「あーー」と伸びるように発音する
-ループを設定する声については、後から編集しやすいよう、眺め(1.5秒以上)に録音する

**音声編集のガイドライン [#gb049482]
+素材系の音声を利用する場合は、規約などの違反が無いことを確認する
+最初に、音声ファイルの先頭、末尾の無音を除去する
+必要ならエフェクトをかけ、好みの声にする
+音量バランスを調整する(トラックゲインの使えるソフトを駆使すると便利)
+ループを設定したい音源は、どこからループを開始するかを特定しておく(必要ならクロスフェイドなどを実施)

編集には、SoundEngineやWavePadがお薦め。上記の作業の全てを単体で行える。


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