*概要 [#gc9a36f9]
[[MuseLoid>MuseLoid]]は、Museを用いて歌を歌わせるためのプロジェクト。初出は2015年4月に開催されたMuseのオフ会での話題提起。

決められた書式で歌詞データを記述し、[[MuseLoid>MuseLoid]]を導入したMuseで演奏することで、演奏と同時に歌を歌うことが可能となる。

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*[[MuseLoid>MuseLoid]]導入手順 [#z1905984]
**1. SoundFontの格納パスを指定 [#o9da593b]
[[MuseLoid>MuseLoid]]を利用するためには、SoundFontが使えるよう設定することが必要である。

Museの設定ファイル「MUSE.ini」を開き「、「#SF」パラメーターにSoundFontの格納先を記述する。

なお、記述したSoundFont格納先フォルダの中に、「[[MuseLoid>MuseLoid]]」フォルダを作っておくと良い。

**2. [[MuseLoid>MuseLoid]]に準拠した音源を入手 [#m80d2252]
Museに歌わせるために、歌声のデータが収録された音源ファイル(SoundFontまたはSFZ)を入手する。

入手したSoundFontは、手順1で作成した[[MuseLoid>MuseLoid]]用のフォルダに保存する。

※なお、インストーラー版Museには、最小限の歌唱が可能なSoundFont「[[MuseLoid>MuseLoid]] lite」が同梱されている。

**3. Museの楽団設定ファイルを作成する [#ud683b8f]
歌と演奏とを組み合わせるために、演奏で使うSoundFontを定義する楽団設定ファイル(sfmファイル)を作成する。

楽団設定ファイルは、メモ帳などのテキストエディタを用いて、以下のようにファイルを記述する。

#hr

 MuseLoid\MuseLoid-lite-170109.sf2
 emuaps_gmgs.sf2

#hr

上記ファイルを、「[[MuseLoid>MuseLoid]] lite.sfm」などのファイル名で保存する。保存する場所は、「#SF」パラメーターに記述したフォルダ。

※「ファイルの種類」は「全てのファイル」にすること。メモ帳などが、ファイルの末尾に勝手に「.txt」を付けるのを抑制できる。

**4. Museで動作確認 [#j381f75e]
Museを起動し、「音源」 → 「SoundFont」内に表示される、楽団設定ファイルを選択する。

読み込みが正常に行えたら、「楽器の試聴」を用いて、 P53/50 などの音色を視聴する。

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*[[MuseLoid>MuseLoid]]に歌わせる [#r80c9f15]

**実際の歌わせ方 [#o584ac39]
[[MuseLoid>MuseLoid]]は、合唱(P53)などのバンク50〜124までに50音が収録されている。
このため、以下のようにバンク切り替えにて発音を変更しつつ、実音を入力することで歌わせる。

#hr

 #A0@ ; 発音
   P53/55 _ P53/53 _ P53/92 _ P53/75 _
   P53/52 _ P53/65 _ P53/100 _
 
 #A1 ; 実音
   d r m f
   m r d

#hr

**発音/バンク対応表 [#h73a051d]
発音とバンクとの対応は、以下の表の通りである。

| あ行 | バンク | い行 | バンク | う行 | バンク | え行 | バンク | お行 | バンク |h
| あ | 50 | い | 51 | う | 52 | え | 53 | お | 54 |
| か | 55 | き | 56 | く | 57 | け | 58 | こ | 59 |
| さ | 60 | し | 61 | す | 62 | せ | 63 | そ | 64 |
| た | 65 | ち | 66 | つ | 67 | て | 68 | と | 69 |
| な | 70 | に | 71 | ぬ | 72 | ね | 73 | の | 74 |
| は | 75 | ひ | 76 | ふ | 77 | へ | 78 | ほ | 79 |
| ま | 80 | み | 81 | む | 82 | め | 83 | も | 84 |
| や | 85 | | | ゆ | 87 | | | よ | 89 |
| ら | 90 | り | 91 | る | 92 | れ | 93 | ろ | 94 |
| わ | 95 | | | ん | 97 | | | を | 99 |
| が | 100 | ぎ | 101 | ぐ | 102 | げ | 103 | ご | 104 |
| ざ | 105 | じ | 106 | ず | 107 | ぜ | 108 | ぞ | 109 |
| だ | 110 | ぢ | 111 | づ | 112 | で | 113 | ど | 114 |
| ば | 115 | び | 116 | ぶ | 117 | べ | 118 | ぼ | 119 |
| ぱ | 120 | ぴ | 121 | ぷ | 122 | ぺ | 123 | ぽ | 124 |

**発音の記述を簡便にする [#e32ad439]
以下のように発音をマクロ化すると、記述が簡便になる。

#hr

 $a{P53/50}
 $i{P53/51}
 $u{P53/52}
 $e{P53/53}
 $o{P53/54}

#hr

さらに、*TEXTの追記コマンドをマクロに含めることで、歌うと同時に歌詞も表示できる。

#hr

 $ka{P53/55 *"か"}
 $ki{P53/56 *"き"}
 $ku{P53/57 *"く"}
 $ke{P53/58 *"け"}
 $ko{P53/59 *"こ"}

#hr

以下のファイルに、全ての発音をマクロ化してあるので、Museデータに張り付けて使って下さい。

-&ref([[MuseLoid>MuseLoid]]_voices.txt,,[[MuseLoid>MuseLoid]]用発音マクロ);

**特殊な発音 [#ra9a8564]

***拗音 [#s1651bf2]
「きゃ」などの拗音は、2つの発音を素早く切り替えることで対応できる。

#hr

 ${ki} d32 ${xya} d4~32 ; きゃ
 ${fu} d32 ${i} d4~32 ; ふぃ

#hr

***促音 [#wa3f9d5f]
「っ」は、休符やスタッカートを用いることで表現できる。

#hr

 ${ki} d8 _ ${pu} d ; キップ

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*[[MuseLoid>MuseLoid]]を作る [#g1a33f2b]
[[MuseLoid>MuseLoid]]は、50音の音声データが準備できれば作ることができる。

この章では、[[MuseLoid>MuseLoid]]作成の基本的な手順と留意事項を記載する。

**[[MuseLoid>MuseLoid]]作成に必要なもの [#lf3ff41e]
+50音の音声データ(waveファイル)
+SoundFontの作成環境(sf2、またはsfz)

**作成手順 [#tdd6873c]
基本的には、50音の音声データを、対応する音色バンクにアサインするだけで作ることができる。

ただし、[[MuseLoid>MuseLoid]]の品質を高めるためには、以下のような編集を行うことが有効である。
-ループを設定して発音が途切れないようにする
-エフェクトをかけてバランスを整える
-複数の音階の録音データを使う

**録音のガイドライン [#v79245bc]
50音を録音する場合の留意事項を示す。

***録音する声 [#ma1ac2f0]
「発音/バンク対応表」に記載されている71の音を、最低音域、中音域、最高音域で発声し、録音する。

なお、SoundFont化においては、以下の音域内で発声できる音を録音すると良い。

o1m s+ o2d m s+ o3d m s+ o4d m s+ o5d m s+ o6d m s+ o7d m

上記は、各音と音の間が4つ離れている「4度」と呼ばれ、楽器を自然に聞こえるようサンプリングする際に用いられている。

***録音環境 [#j7b1fba1]
-できるだけ静かな部屋で録音し、ノイズの混入を避ける
-録音機の自動音量調整機能は停止した方が良い
-後から編集するため、音質は、可能な限り高音質(PCM 44KHz, 16bit以上)

***発声時の注意事項 [#v9d9ddaa]
-音程は多少ずれていても良いので、はっきりと発音する
-「あ〜〜」のようなゆらぎは避け、「あーー」と伸びるように発音する
-ループを設定する声については、後から編集しやすいよう、眺め(1.5秒以上)に録音する

**音声編集のガイドライン [#gb049482]
+素材系の音声を利用する場合は、規約などの違反が無いことを確認する
+最初に、音声ファイルの先頭、末尾の無音を除去する
+必要ならエフェクトをかけ、好みの声にする
+音量バランスを調整する(トラックゲインの使えるソフトを駆使すると便利)
+ループを設定したい音源は、どこからループを開始するかを特定しておく(必要ならクロスフェイドなどを実施)

編集には、SoundEngineやWavePadがお薦め。上記の作業の全てを単体で行える。


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