MuseでSoundFontを使う

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*はじめに [#r8c2b4f8]

**SoundFontの概説 [#hdbf5e43]

SoundFontとは、ピアノやギター、ドラムなどの楽器波形が収録されたファイルで、これを特定のソフトウェアで読み込むことで、事実上の音源として使うことができる。

SoundFontの種類は豊富で、且つ無料で使えるものが多い。このため、根気があればハードウェア音源並の音質で音楽を楽しめたり、単純に自分が持っていない音色での演奏を堪能することができる。

ただし、昔はかなり敷居の高い技術だった。理由は、高品質なSoundFontはピアノ独奏でメモリを100MB消費するなど、演奏時の負荷が従来のソフトウェア音源と比較にならないほど高かったことや、演奏できるようにするまでの手順がWindowsベースで考えると難解であったことである。

しかし現在は、この問題は緩和されつつある。パソコンの処理能力が大幅に高まったことで、巨大なSoundFontでも「ちょっと反応が遅い」程度の負荷で演奏できるようになった。また詳しい知識がなくても、ソフトにSoundFontを設定すれば即演奏可能というくらい、演奏までの手順も簡略化できるようになった。

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**SoundFontを使う利点 [#gb2ee8f0]

-手軽に音源を手に入れることができる
-文字を変える感覚で音色を変えられる
-フォントを変える感覚で音色を変えられる
-根気があれば、ハードウェア音源以上の演奏が可能になる。
-Windows Vista以降でも安定して使える、むしろメモリが増えた分有利に使える
-音源の改造が容易(極端な話、ピアノ128台のSoundFontが作れる)

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**SoundFontにも欠点はある [#g422b657]

-演奏負荷が高い(ひどいものでは演奏まで10秒以上待つこともある)
-バランスがまちまち(公表されているSoundFontの多くは音色・音量バランスのバラつきが激しい)
-ほとんど海外仕様(SoundFont・関連ソフトの配布元が海外なので、英語のスキルが必要だったり、日本の音楽と相性が合わないものがあったりする)
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*MuseにおけるSoundFontの導入 [#g9e83ab9]

Muse V6.1からは、SoundFontを使って演奏できるソフトウェアと連携する機能が搭載された。音源メニューからSoundFontを指定すると、それを直接演奏させられるようになる。

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**CoolSoft VirtualMIDISynth [#f8519b3b]
配布元(英語):http://coolsoft.altervista.org/en/virtualmidisynth/

VirtualMIDISynthは、SoundFontを用いてMidiを演奏させることのできるフリーソフトである。上記WEBサイトから最新版をダウンロードすることができる。

上記ソフトをインストールすると、MidiドライバーとしてVirtualMIDISynthが追加される。Museでは設定を行うことで、任意のSoundFontがメニューに追加され、それを選択することでMidiを演奏することが可能となる。

内部的には、SoundFontを含む設定情報を直接VirtualMIDISynthの起動パラメータとして渡している。よって、Musingの際はソフトを操作しているというより、SoundFontを直接鳴らしている感覚で演奏できる。

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**Timidityとの違い [#d960fa73]

SoundFontを使って演奏できるソフトウェアとして著名なものには、Timidityがある。これに対してVirtualMIDISynthは、以下のような違いがある。

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***使用用途 [#p47fbf0c]

結論から言うと、TimidityとVirtualMIDISynthは用途が異なる上共存が可能なので、使用に問題がなければ両方を使い分けることをお薦めする。

VirtualMIDISynthは、音楽の視聴の用途で使う。これに対しTimidityは、本格的に打ち込む用途で使う。もちろん、両方の用途で使うことはできるが、以降で挙げる利点と欠点から、こういった使い分けをした方がMuseを楽しめる。

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***利点 [#ma3b6475]

-動作が軽い(Timidityは、Midi音源として使うというよりも、MidiをWaveに変換する用途が強かった。このため、Midi演奏に関してはVirtualMIDISynthの方が動作が軽い)
-入手したSoundFontで即演奏ができる(TimidityでのMidiの演奏はCFGが必要だが、VirtualMIDISynthは不要。よって、面倒なCFG記述が必要とならない)
-Museの再起動が不要(Timidityを利用した場合、Museでは、曲の演奏や切り替えを行ってもメモリが解放されないので、音色の変更などをするためには定期的にMuseを再起動しなければならない。しかしVirtualMIDISynthではこの作業は不要である。)
-波形加工が効きやすい(TimidityをMidiドライバーとして使った場合、波形加工R=..やQ=.がほとんど効かない。これに対し、VirtualMIDISynthでは、ハードウェア音源には劣るもののこれらの加工が可能である。)

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***欠点 [#sf341f22]

-部分的な音色の入れ替えが難しい(VirtualMIDISynthにはCFGで自由に音色配置を切り替える機能が存在しない。このため、SoundFontの音色がいまいちだと思っても、改造しなければ音色のカスタマイズができない。)
-音量のバランス調整が難しい(Timidityでは、楽器音量を個別に設定でき、それも100%以上の音量で出力できる。これに対しVirtualMIDISynthでは楽器毎に音量調整ができず、最大値も100%。このため、ドラムが小さいSoundFontでは他の楽器音量を半減させるなどの処置をしなければ使い物にならなかったりする)
-GUSパッチは使えない(VirtualMIDISynthはSoundFontにのみ対応している。GUSパッチは、音色の質は優れているわけではないが、すでにGM音源として洗練されているものが多いので、音楽の視聴には扱いやすい。)
-打ち込む場合の負荷が高い(Timidityでは利点の項で触れた通り、SoundFont演奏後にメモリが残るため、繰り返し演奏する打ち込みでは演奏までの負荷は少なくなっていく。一方でVirtualMIDISynthでは、毎回SoundFontをロードするため、打ち込みにおいては演奏負荷が高くなる。)

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**実際に鳴らしてみる [#t5990f60]

*** VirtualMIDISynthをインストールする [#me04e2cb]

上記サイトより「VirtualMIDISynth」をダウンロードし、インストールする。

説明は英語だが、基本的に「Yes」、「Next」を選び続ければ特に問題なくインストールすることができる。

インストール後、Windowsの再起動を要求されることがある。ドライバーを組み込んだためなので、再起動することをお薦めする。

*** SoundFontを入手する [#yaefcfcc]

VirtualMIDISynthでは、SoundFontを持っていなければ演奏することはできない。Timidityを持っているのなら、そこに入っているSoundFontを使うのも良い。

今回は、音質・容量・バランス共に整っているSoundFont「GeneralUser GS」を例に説明する。これは主観であるが、30MB付近のSoundFontの中ではかなり優秀なものである。

まず、配布サイトへ行き、SoundFontをダウンロードする。配布元では、使用しているSoundFont対応ソフトウェアに合わせて調整されたバージョンがあり、今回の場合は「GeneralUser GS SoftSynth」を選択する。他のバージョンでも音は鳴るが、トーンがずれて聞こえることがある点に注意。

入手したファイルはzip圧縮されているので展開すると、SoundFontファイルが現れる。SoundFontの拡張子は「sf2」である。

*** SoundFontを置くフォルダを作る [#z849283a]

入手したSoundFontを、任意のフォルダに設置する。これは、今後SoundFontを使い分ける時に備えて専用のフォルダを作っておいた方が良い。

例えばMuseの入っているフォルダに「SoundFont」というフォルダを作り、そこに入れる。Timidityを使っているのなら、すでに「C:\timidity\musix\」といったフォルダがあるだろうから、それを活用しても良い。

*** MuseにSoundFontフォルダを関連付ける [#q2364313]

最後に、Museで先ほど作ったSoundFontフォルダを関連付けることで、Museの音源欄にSoundFontの一覧が並ぶ。

設定ファイル「MUSE.ini」を開き、下記のパラメータに、SoundFontが入っているフォルダのパス名を入力する。これはフルパスでなければならない。

 #SF = C:\Programs\MUSE\SoundFonts\

のように記述する。Timidityを使っているのなら、以下のように記述する。

 #SF = C:\timidity\musix\

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**注意点 [#i5bb1ae8]

大量のSoundFontが集まっているフォルダを指定すると、音源メニューがSoundFontだらけになってしまう。

この場合には、対象のSoundFont名を書き込んだ設定ファイルを作成し、それを入れた専用のフォルダを設けることで緩和できる。

*** CFG専用フォルダの準備 [#tdf58f57]

例えばMuseフォルダ内にCFG専用のフォルダを作り、MUSE.iniにはそのフォルダパスを指定する。

 #SF = C:\Programs\MUSE\SFconf

*** confファイルを書く [#n6a900a8]

上記のフォルダに、任意の名前のconfファイルを作成する。名前はSoundFont名でもいいし、「基本セット」のような名前でも良い。

メモ帳などのテキストエディタで、以下のテキストを作成する。

 ; 基本セット configfile(名前は自由)
 ; --------------------------------------
 [SoundFonts]
 sf1=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\GeneralUser GS SoftSynth v1.44.sf2
 ; --------------------------------------
#hr

上記ファイルを、「基本セット.conf」などの名前でSFconfフォルダ内に保存する。「ファイルの種類」を「全てのファイル」にすることを忘れずに。

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***複数のSoundFontを一度に読み込む時は? [#x9ebf7e2]

バラけている複数のSoundFontを組み合わせたり、部分的にSoundFontを差し替えたい場合には、以下のようにパラメータをいじって記述する。

 ; Giant_Soundfont 設定ファイル
 ; --------------------------------------
 [SoundFonts]
 sf1=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\5.5bank1.sf2
 sf2=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\5.5bank2.sf2
 sf3=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\5.5bank3.sf2
 sf4=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\drumset3.0all.sf2
 ; --------------------------------------

#hr

上記の文法はVirtualMIDISynthの設定に準じたもので、MUSEではこれをそのまま送信しているだけである。このため、将来文法が変化する可能性がある。

VirtualMIDISynthの設定文法は公開されているわけではないが、WindowsのSystemディレクトリに入っている。作者に確認した所では、「意味が理解できれば自由に編集しても良い」そうである。

設定ファイルを読めばわかることであるが、音量バランスなどさまざまな設定も行うことができる。例えばZSF_GMのように極端にドラムの小さいSoundFontを使う場合には、他チャンネルの音量を小さくしたconfファイルをMuseフォルダに設置すれば、そちらが反映される。

以下、Windowsの32bit版(X86)の場合のパスを記載しておく。64bit版の場合や、OSがCドライブに無い場合は異なるので注意する。

 C:\WINDOWS\system32\VirtualMIDISynth\VirtualMIDISynth.conf

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*付録(掲示板で話題となったSoundFont) [#mf8b2a6d]

ここでは、掲示板で話題となったSoundFontの一部を紹介する。なお情報の追記大歓迎である。

SoundFontについては、インターネットで探せばいろいろ出てくるが、sf2midi.comなどのWEBサイトを利用すると効率よく探すことができる。というよりも、SoundFont自体が若干古い規格のため原版の配布元が閉鎖されていることが多く、必然的にコミュニティサイトの利用が求められるケースが存在する。

なお、出所が不明なSoundFontがいくつもあるが、この多くは原版の配布元が閉鎖されている、自作したものをコミュニティサイトへ直接アップロードしているなどの理由が存在する。

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** A320U.sf2(9.5MB) [#e579ae42]

現在のTimidityに同梱されている軽量SoundFont。一部MSGSと似た音が出るが、基本的にEMU系統の音が出る。バランスは良いが、音がいいわけではない。

** FluidR3 GM(144.9MB) [#oe52c386]

Public domainのSoundFont。原版の配布元は消滅しているが、他サイトで入手可能。多くの音がステレオサンプリングであり、音質は良好だが癖が強い。なお同GSのフォントも入れればSFX系の音が鳴らせるようになる。

** GeneralUser GS(30.5MB) [#i104aa93]

汎用性の高いSoundFont。バランスが良く、この近辺のSoundFontの中では扱いやすい。配布元では現在も更新が続いている。

** GiantSoundFont(合計499.9MB) [#vf1d2785]

合計すると500MBにもなる巨大なGMのSoundFont。音質は優秀だが残響や音量バランスが凄いことになっているため扱いにくい。残響・音量設定を取り除ければかなり優秀な一品。

** SGM(240.3MB) [#m6651163]

視聴用としては最も優秀とされているSoundFont。バランスが重視されており、SC-88ProのGS向けMidiの演奏にもそこそこ対応できる。ただし個々の音色が凡庸なので、打ち込む場合は調整が必要である。

** AIRFONT380(269.5MB) [#fa6b1465]

巨大でバランスの良いSoundFont。GMのMidi演奏においてはSGMを上回る性能を発揮できる。なお容量が3分の1以下になった「A340」というSoundFontがある。


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