MuseでSoundFont?を使う

はじめに

SoundFont?の概説

SoundFont?とは、ピアノやギター、ドラムなどの楽器波形が収録されたファイルで、これを特定のソフトウェアで読み込むことで、事実上の音源として使うことができる。

SoundFont?の種類は豊富で、且つ無料で使えるものも多く残存している。このため、根気があればハードウェア音源並の音質で音楽を楽しめたり、単純に自分が持っていない音色での演奏を堪能することができる。

ただし、昔はかなり敷居の高い技術だった。理由は、高品質なSoundFont?はピアノ独奏でメモリを100MB消費するなど、演奏時の負荷が従来のソフトウェア音源と比較にならないほど高かったことや、演奏できるようにするまでの手順がWindowsベースで考えると難解であったことである。

しかし現在は、この問題は緩和されつつある。パソコンの処理能力が大幅に高まったことで、巨大なSoundFont?でも「ちょっと反応が遅い」程度の負荷で演奏できるようになった。また詳しい知識がなくても、ソフトにSoundFont?を設定すれば即演奏可能というくらい、演奏までの手順も簡略化できるようになった。

SoundFont?を使う利点

SoundFont?にも欠点はある

MuseにおけるSoundFont?の導入

Muse V6.1からは、SoundFont?を使って演奏できるソフトウェアと連携する機能が搭載された。音源メニューからSoundFont?を指定すると、それを直接演奏させられるようになる。

CoolSoft? VirtualMIDISynth

配布元(英語):http://coolsoft.altervista.org/en/virtualmidisynth/

VirtualMIDISynthは、SoundFont?を用いてMidiを演奏させることのできるフリーソフトである。上記WEBサイトから最新版をダウンロードすることができる。

上記ソフトをインストールすると、MidiドライバーとしてVirtualMIDISynthが追加される。Museでは設定を行うことで、任意のSoundFont?がメニューに追加され、それを選択することでMidiを演奏することが可能となる。

内部的には、SoundFont?を含む設定情報を直接VirtualMIDISynthの起動パラメータとして渡している。よって、Musingの際はソフトを操作しているというより、SoundFont?を直接鳴らしている感覚で演奏できる。

導入手順

VirtualMIDISynthをインストールする

上記サイトより「VirtualMIDISynth」をダウンロードし、インストールする。

説明は英語だが、基本的に「Yes」、「Next」を選び続ければ特に問題なくインストールすることができる。

インストール後、Windowsの再起動を要求されることがある。ドライバーを組み込んだためなので、再起動することをお薦めする。

SoundFont?を入手する

VirtualMIDISynthでは、SoundFont?を持っていなければ演奏することはできない。Timidityを持っているのなら、そこに入っているSoundFont?を使うのも良い。

今回は、音質・容量・バランス共に整っているSoundFont?GeneralUser? GS」を例に説明する。これは主観であるが、30MB付近のSoundFont?の中ではかなり優秀なものである。

まず、配布サイトへ行き、SoundFont?をダウンロードする。配布元では、使用しているSoundFont?対応ソフトウェアに合わせて調整されたバージョンがあり、今回の場合は「GeneralUser? GS SoftSynth?」を選択する。他のバージョンでも音は鳴るが、トーンがずれて聞こえることがある点に注意。

入手したファイルはzip圧縮されているので展開すると、SoundFont?ファイルが現れる。SoundFont?の拡張子は「sf2」である。

SoundFont?を置くフォルダを作る

入手したSoundFont?を、任意のフォルダに設置する。これは、今後SoundFont?を使い分ける時に備えて専用のフォルダを作っておいた方が良い。

例えばMuseの入っているフォルダに「SoundFont?」というフォルダを作り、そこに入れる。Timidityを使っているのなら、すでに「C:\timidity\musix\」といったフォルダがあるだろうから、それを活用しても良い。

MuseにSoundFont?フォルダを関連付ける

最後に、Museで先ほど作ったSoundFont?フォルダを関連付けることで、Museの音源欄にSoundFont?の一覧が並ぶ。

設定ファイル「MUSE.ini」を開き、下記のパラメータに、SoundFont?が入っているフォルダのパス名を入力する。これはフルパスでなければならない。

#SF = C:\Programs\MUSE\SoundFonts\

のように記述する。Timidityを使っているのなら、以下のように記述する。

#SF = C:\timidity\musix\

掲示板で話題となった主なSoundFont?

ここでは、掲示板で話題となったSoundFont?の一部を紹介する。なお情報の追記大歓迎である。

SoundFont?については、インターネットで探せばいろいろ出てくるが、sf2midi.comなどのコミュニティサイトを利用すると効率よく探すことができる。というよりも、SoundFont?自体が若干古い規格のため原版の配布元が閉鎖されていることが多く、必然的にコミュニティサイトの利用が求められるケースが存在する。

なお、出所が不明なSoundFont?がいくつもあるが、この多くは原版の配布元が閉鎖されている、自作したものをコミュニティサイトへ直接アップロードしているなどの理由が存在する。

また、SoundFont?の楽器配列は自由であるので、必ずしもGM128個の楽器が入っているとは限らない。例えばオーケストラ楽器詰め合わせのSoundFont?では、P1からP40くらいまで管弦楽器が並んでいることもある。このため、一般的なMidi演奏を希望するなら、「GM」と付いたSoundFont?を探そう。


A320U.sf2(9.5MB)

現在のTimidityに同梱されている軽量SoundFont?。一部MSGSと似た音が出るが、基本的にEMU系統の音が出る。バランスは良いが、音がいいわけではない。

FluidR3 GM(144.9MB)

Public domainのSoundFont?。原版の配布元は消滅しているが、他サイトで入手可能。多くの音がステレオサンプリングであり、音質は良好だが癖が強い。なお同GSのフォントも入れればSFX系の音が鳴らせるようになる。

GeneralUser? GS(30.5MB)

汎用性の高いSoundFont?。バランスが良く、この近辺のSoundFont?の中では扱いやすい。配布元では現在も更新が続いている。

GiantSoundFont?(合計499.9MB)

合計すると500MBにもなる巨大なGMのSoundFont?。音質は優秀だが残響や音量バランスが凄いことになっているため、かなり個性的なSoundFont?である。残響・音量設定を取り除ければかなり優秀な一品らしい。

SGM(240.3MB)

視聴用としては最も優秀とされているSoundFont?。バランスが重視されており、SC-88ProのGS向けMidiの演奏にもそこそこ対応できる。ただし個々の音色が凡庸なので、何でもできるが中途半端という欠点がある。

AIRFONT380(269.5MB)

巨大でバランスの良いSoundFont?。GMのMidi演奏においてはSGMを上回る性能を発揮できる。なお容量が3分の1以下になった「A340」というSoundFont?がある。

より高度な活用術

大量のSoundFont?が集まっているフォルダを指定すると、音源メニューがSoundFont?だらけになってしまう。

この場合には、対象のSoundFont?名を書き込んだ設定ファイルを作成し、それを入れた専用のフォルダを設けることで緩和できる。

CFG専用フォルダの準備

例えばMuseフォルダ内にCFG専用のフォルダを作り、MUSE.iniにはそのフォルダパスを指定する。

#SF = C:\Programs\MUSE\SFconf

confファイルを書く

上記のフォルダに、任意の名前のconfファイルを作成する。名前はSoundFont?名でもいいし、「基本セット」のような名前でも良い。

メモ帳などのテキストエディタで、以下のテキストを作成する。

; 基本セット configfile(名前は自由)
; --------------------------------------
[SoundFonts]
sf1=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\GeneralUser GS SoftSynth v1.44.sf2
; --------------------------------------

上記ファイルを、「基本セット.conf」などの名前でSFconfフォルダ内に保存する。「ファイルの種類」を「全てのファイル」にすることを忘れずに。

複数のSoundFont?を一度に読み込む時は?

バラけている複数のSoundFont?を組み合わせたり、部分的にSoundFont?を差し替えたい場合には、以下のようにパラメータをいじって記述する。

; Giant_Soundfont 設定ファイル
; --------------------------------------
[SoundFonts]
sf1=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\5.5bank1.sf2
sf2=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\5.5bank2.sf2
sf3=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\5.5bank3.sf2
sf4=C:\Programs\MUSE\SoundFonts\drumset3.0all.sf2
; --------------------------------------

上記の文法はVirtualMIDISynthの設定に準じたもので、MUSEではこれをそのまま送信しているだけである。このため、将来VirtualMIDISynthの設定ファイル文法が変化しても、Muse自体はバージョンアップすることなく継続利用が可能なはずである。

VirtualMIDISynthの設定文法は公開されているわけではないが、WindowsのSystemディレクトリに入っている。作者に確認した所では、「意味が理解できれば自由に編集しても良い」そうである。

設定ファイルを読めばわかることであるが、音量バランスなどさまざまな設定も行うことができる。例えばZSF_GMのように極端にドラムの小さいSoundFont?を使う場合には、他チャンネルの音量を小さくしたconfファイルをMuseフォルダに設置すれば、そちらが反映される。

以下、Windowsの32bit版(X86)の場合のパスを記載しておく。64bit版の場合や、OSがCドライブに無い場合は異なるので注意する。

C:\WINDOWS\system32\VirtualMIDISynth\VirtualMIDISynth.conf

VirtualMIDISynth を Timidity と比べてみると

SoundFont?を使って演奏できるソフトウェアとして著名なものには、Timidityがある。これに対してVirtualMIDISynthは、以下のような違いがある。


使用用途

結論から言うと、TimidityとVirtualMIDISynthは用途が異なる上共存が可能なので、問題がなければ両方を使い分けることをお薦めする。

VirtualMIDISynthは、演奏の手軽さ、SoundFont?導入のしやすさの点でお薦めである。一方で、より上位の演奏を行う場合はTimidityを使うことを推奨する。


VirtualMIDISynthが優位なポイント


Timidityが優位なポイント


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