*概要 [#o6143fa4]
MuseLoidは、Museを用いて歌を歌わせるためのプロジェクト。この話題は2015年4月に開催されたMuseのオフ会で初めて挙がった。サウンドフォントで五十音の発声データを準備しておき、それをMuse側から何らかの方法で切替ながら発音させることで、従来の演奏と並行して、歌唱も可能になるのではないかという発想であった。

*MuseLoid導入手順 [#oa983de5]
**1. サウンドフォントの格納パスを指定 [#mec0c3e5]
MuseLoidを利用するためには、サウンドフォントが使えるよう設定することが必要である。~
Museの設定ファイル「MUSE.ini」を開き「、「#SF」パラメーターにサウンドフォントの格納先を記述する。~
なお、MuseLoid対応音源と伴奏用のサウンドフォントとを混同しないよう、専用の「MuseLoid」フォルダを作っておくと良い。~
この「MuseLoid」フォルダは、「#SF」フォルダとは依存関係のない位置に作成することができる。

**2. MuseLoidに準拠した音源を入手 [#wd7afd8e]
Museに歌わせるために、歌声のデータが収録された音源ファイル(サウンドフォントまたはSFZ)を入手する。~
入手したサウンドフォントは、手順1で作成したMuseLoid用のフォルダに保存する。~
MuseLoid準拠の音源は、インストーラー版Museに同梱されている他、MuseLoid対応音源一覧のページからも入手可能である。

**3. Museの楽団編成ファイルを作成する [#b443880a]
歌と演奏とを組み合わせるために、演奏で使うサウンドフォントを定義する楽団編成ファイル(sfmファイル)を作成する。~
楽団編成ファイルは、メモ帳などのテキストエディタを用いて、以下のようにファイルを記述する。~
(アスタリスク以降、行末まではコメント。相対パス基点は#SFフォルダ)

 *ミューズロイド用サウンドフォント(SFZフォルダ名に割り付け先の楽器番号を添える)
 d:\hoge\MuseLoid\MuseLoid-hoge2\sfz\ | 53
 
 *伴奏用サウンドフォント(SF2形式はファイル名で記述)
 d:\hoge\piyo\piano1.sf2

上記ファイルを、「hoge楽団.sfm」などのファイル名で保存する。保存する場所は、「#SF」パラメーターに記述したフォルダである。

(注)ミューズロイド音源の割り付け先は、演奏互換性という観点から、歌声に近い楽器番号を採用することが望ましい。この配慮により、通常音源で再生した場合でも違和感の無い演奏が期待できる。参考として以下に候補例を示す。
 P53:合唱アー   	 男性の歌声
 P54:独唱オー   	 女性の歌声
 P55:シンセボーカル	 子供の歌声
 P86:ソロボーカル 	 (予備1)
 P92:スペースボイス	 (予備2)

**4. Museで動作確認 [#r7470b08]
Museを起動し、「音源」 → 「SoundFont」内に表示される、楽団編成ファイルを選択する。~
読み込みが正常に行えたら、「楽器の試聴」を用いて、 P53/50 などの音色を視聴する。~
※なお、インストーラー版Museには、最小限の歌唱が可能なMuseLoid対応音源が付属されており、さらにインストール直後から歌えるように設定されている。

*MuseLoidに歌わせる [#ibc5a9cf]

**実際の歌わせ方 [#y79ae0b9]
MuseLoidは通常、合唱アー(P53)、独唱オー(P54)、シンセボーカル(P55)などの楽器にアサインされ、それらのバリエーション番号50〜124に五十音の発声が収録されている。~
このため、以下のようにバリエーション変更を用いて発音を変更しつつ、実音を入力することで歌わせる。

 #A0@ P53 ; 発音楽器の指定
   P/55 _ P/53 _ P/92 _ P/75 _  ; かえるの
   P/52 _ P/65 _ P/100 _          ; うたが
 
 #A1 ; 音程の指定
   d r m f
   m r d

1フィンガーで記述することもできる。

 #A0 @P53
   P/55 d P/53 r P/92 m P/75 f
   P/52 m P/65 r P/100 d

**発声/バリエーション対応表 [#uc416465]
発声とバリエーション番号との対応は、以下の表の通りである。

|~ア行 | 050:あ | 051:い | 052:う | 053:え | 054:お |
|~カ行 | 055:か | 056:き | 057:く | 058:け | 059:こ |
|~サ行 | 060:さ | 061:し | 062:す | 063:せ | 064:そ |
|~タ行 | 065:た | 066:ち | 067:つ | 068:て | 069:と |
|~ナ行 | 070:な | 071:に | 072:ぬ | 073:ね | 074:の |
|~ハ行 | 075:は | 076:ひ | 077:ふ | 078:へ | 079:ほ |
|~マ行 | 080:ま | 081:み | 082:む | 083:め | 084:も |
|~ヤ行 | 085:や | 086:ヰ | 087:ゆ | 088:ヱ | 089:よ |
|~ラ行 | 090:ら | 091:り | 092:る | 093:れ | 094:ろ |
|~ワ行 | 095:わ | 096:ゐ | 097:ん | 098:ゑ | 099:を |
|~ガ行 | 100:が | 101:ぎ | 102:ぐ | 103:げ | 104:ご |
|~ザ行 | 105:ざ | 106:じ | 107:ず | 108:ぜ | 109:ぞ |
|~ダ行 | 110:だ | 111:ぢ | 112:づ | 113:で | 114:ど |
|~バ行 | 115:ば | 116:び | 117:ぶ | 118:べ | 119:ぼ |
|~パ行 | 120:ぱ | 121:ぴ | 122:ぷ | 123:ぺ | 124:ぽ |

**発音の記述を簡便にする [#wfd42d78]
以下のように発音をマクロ化すると、記述が簡便になる。

 $a{P/50}
 $i{P/51}
 $u{P/52}
 $e{P/53}
 $o{P/54}

さらに、*TEXTの追記コマンドをマクロに含めることで、歌うと同時に歌詞も表示できる。

 $ka{P/55 *"か"}
 $ki{P/56 *"き"}
 $ku{P/57 *"く"}
 $ke{P/58 *"け"}
 $ko{P/59 *"こ"}

以下のファイルに、全ての発音をマクロ化してあるので、Museデータに張り付けて使用すると便利である。

-&ref(MuseLoidマクロテンプレート.txt,,MuseLoidマクロテンプレート);
-&ref(ML-macro.txt,,MuseLoidマクロテンプレート(シンプル版));

マクロを使うと、かなり見通しが良くなる。

 #A0 @P53
   ${ka} d ${e} r ${ru} m ${no} f
   ${u} m ${ta} r ${ga} d


**特殊な発音 [#p2b580d9]

***拗音 [#j8011693]
「きゃ」などの拗音は、2つの発音を素早く切り替えることで対応する。すなわち、先行する発声を修飾音として記述する。

 ${ki} d32 ${xya} d4~32 ; きゃ
 ${fu} d32 ${i} d4~32 ; ふぃ

***促音 [#x7ebaf2a]
「っ」は、休符やスタッカートを用いることで表現できる。

 ${ki} d8 _ ${pu} d ; キップ


*MuseLoid歌唱のTips [#m062d5b2]

 「ぎょ」や「しゃ」と言った発音は「ぎ」を装飾音+「ょ」、そして「し」を装飾音+「ゃ」でうまくできていると思います。
 装飾音の長さはスローテンポな曲ならば、発音が間延びせぬよう64分音符で違和感がありません。

 単なるふりがなとは異なる点もある程度考慮せねばなりません。
 「そつぎょうしゃしん」ではなくて「そつぎょおしゃしん」と歌わせると違和感無く聞こえます。
 同様に「そのままだったから」は「そのままだあたから」となります。
 また「しかって」の場合、実際に歌われるのは「しかあて」に近いです。


*MuseLoid音源の作り方 [#nb514dd9]
以下を参照

http://kato.chobi.net/muse/MuseLoid.txt

&ref(MuseLoidCheck.mus);
作ったMuseLoidを一通り聞きたいときに便利なMuseデータ

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